(大人の再スタートを失敗させないロードマップ)
■ はじめに
「またピアノを始めたい。でも何から手をつければいいの?」
「昔弾けた曲が全然弾けない…」
そんな不安を抱えながら再スタートする大人の方はとても多いです。
でも大丈夫。最初の3ヶ月さえ迷わず進めれば、“大人のピアノ再開”はぐっとラクに、そして楽しく続けられます。
この記事では、
ピアノ再開者が最初の3ヶ月でやるべきこと・やらなくていいこと・つまずきやすいポイント
を、プロ講師目線でまとめました。
【全体ロードマップ】最初の3ヶ月はこう進む
- 1ヶ月目:手慣らし・体の思い出し期間
- 2ヶ月目:基礎の再構築とレパートリー作り
- 3ヶ月目:曲を深める&弾ける手応えを作る月
今からひとつずつ詳しく解説します。
1ヶ月目:手慣らし期間(体の記憶を呼び戻す)
① まずは「5〜15分」から
最初から30分や1時間弾く必要はありません。
大人の再開で一番の失敗は、最初に頑張りすぎて疲れることです。
→ 最初の1〜2週間は “短時間×毎日” がベスト。
おすすめは 1日10分。
■ やること
- 指慣らし(ハノンテンポゆっくりでOK)
- スケール(1日1調)
- 昔弾いていた簡単な曲を少しだけ
■ やらなくていいこと
- 速く弾く
- 完璧を目指す
- 難しい曲の練習
② 手のフォームの癖をチェック
再開組さんの多くが「昔のクセ」をそのまま復活させます。
チェックポイント:
- 手のひらが落ちていないか
- 指が寝ていないか
- 手首が下がりすぎていないか
- 肩が固まっていないか
→ ここで直すと、その後ずっとラクになります。
③ まずは簡単な1曲を弾ける状態に
1ヶ月目の目標は、
「短い1曲をゆっくり通せるようになること」。
候補:
- エリーゼのために(前半だけ)
- バッハのメヌエット
- アラベスク(ブルグミュラー)
など
達成感を得ることで、2ヶ月目が一気にラクになります。
2ヶ月目:基礎力の再構築&レパートリー作り
① 正しい練習ルーティンを作る
2ヶ月目からは、少し練習量を増やします。
■ 1回の練習の流れ(25〜40分)
- ウォームアップ(5分)
- スケール&アルペジオ(10分)
- 取り組む曲の練習(10〜20分)
- 最後に「通す」時間(3分)
これを週3〜4日でOK。
② レベルに合った曲を2曲同時進行で
再開2ヶ月目は「1曲だけ」をやると飽きやすく続きません。
短い曲×長く取り組む曲 を組み合わせると効果的です。
例:
- 短い曲:ブルグミュラー、プレリュード、簡単なポップス
- 長く取り組む曲:ショパンのワルツ、ドビュッシー小品、シンプルなソナチネ など
③ ここで初めて「テクニック練習」を本格導入
- 音階(全調でなくてOK)
- アルペジオ
- 分散和音
- トリルの練習
「指が動きやすい日」が増えてきます。
④ 動画を撮って“見える化”
再開者の伸び悩みの多くは、自分の音・姿勢・手つきが客観視できないこと。
スマホで30秒だけ録るだけで、改善が早くなります。
3ヶ月目:レパートリーを深める&自信をつける月
いよいよ「弾ける感覚」が戻ってくる時期です。
① 1曲は“仕上げる”経験を
仕上げるとは、以下ができる状態。
- 最後まで止まらず弾ける
- ペダルが適度に使える
- 強弱や歌い方にニュアンスがある
- 人に聴かせても恥ずかしくないレベル
完成度70%でOK。
この成功体験が、継続の原動力になります。
② 3ヶ月目におすすめの曲
・ショパン:ワルツ(イ短調、ホ短調など)
・クレメンティ/ソナチネ
・ドビュッシー:アラベスク1番(簡単アレンジ)
・ギロック作品
・映画音楽(やさしめの採譜)
③ ここで環境を整える
- 椅子の高さ
- メトロノーム
- デジピのペダルの重さ
- 部屋の照明
- 練習ノート
など、小さなストレスを減らすと上達が安定します。
3ヶ月後の理想の状態
- 1週間の練習ペースが安定してきた
- 楽しく弾き続けられている
- 1〜2曲は人に聴かせられるレパートリーがある
- 指が動く日が増えた
- 練習のストレスが減ってきた
ここまで来れば、半年・1年と自然に続けられます。
まとめ
ピアノの再開がうまくいくかどうかは、
最初の3ヶ月の“設計”で決まります。
無理をしすぎず、でも少しずつ階段を登るように。
あなたの音楽の時間が、また豊かに広がりますように。

